かれこれ1年半、働くということをしていない。
自分が無職期間に何をしていたのか、忘れないうちに書き残したいと思っていた。
現在は、ゆるく就職活動中なので、時間がある今のうちにブログを書くことにする。
無職というものは、実は適性があって、仕事が嫌だと言う人でも、「働いていないと暇を持て余して落ち着かない」「罪悪感で遊びに意欲的になれない」なんて人は案外多い。
これは、実際に経験してみないと、分からない適性かもしれないなと思う。
結果的に、自分には無職の適性があるということが分かってしまったのだけど、長期的に無職の人間が、どういう生活を送っているのかを、気軽に紹介してみたいという訳なのです。
1.無職の見通し
2.無職の暮らし
3.無職のお仕事
1.無職の見通し
無職にとって、いちばんの問題は、「一体いつまでお金が持つのか」ということだと思う。
私は、一人暮らしの無職である。
人間にはそれぞれの環境があって、人によって切れる手札も様々だと思う。
自分の場合は、家を引き払って帰れる実家なし、金銭的に支援してくれる家族や後援者なし、という状況ではあったものの、使える制度が多かったり、事務手続き得意だったりする「自分のメリット」を最大限に活用して、生活を維持している。
無職になるにあたって、いちばん最初に着手したことは、家計の把握である。いつまで無職でいれるのか。いつまで無職でいたいのか。
自分の場合は、持病の治療と体調の立て直し、やりたい勉強と遊び、大きく分けてこの二つのために、どうしても長期的な休みが欲しかったのである。無職もビジョン大事。安心して休むためには、やっぱりお金である。
まず初めに、収入と支出を中長期的に把握すること!
家計簿をつけることで、月々の固定支出と変動支出を割り出し、年間の予算を組むのである。
基本的なことだけど、固定支出の見直し、いらないサブスクの解約、絶対に必要な臨時支出の整理(賃貸契約更新料、保険料、冠婚葬祭関連など)をする。
次に、自分の財産と負債の整理。
通帳の残高は全て併せていくらあるか、奨学金などの借金は残りどれだけか。
家財道具も、要らないものは売ったり捨てたりして、置いておくものも価値を把握しておく。いざという時に、売ったらお金になる機材が、どれくらいあるか、とか。
家計管理の仕方については、何冊か本を読んだ上で、自分に合ったスタイルを構築すべく、最初の半年くらいは試行錯誤し続けました。意外と真面目な無職。
本当は、無職じゃなくても、家計は把握しておくべきなんだけど、働いていると忙しいし、家計管理は軌道に乗るまでが大変なので、、、20代独身だと、先送りにしちゃいがちだよねぇ。
でも、自分なりにしっかり管理できるようになると、漠然としたお金の不安によって、自分のキャパが食われちゃうようなこともなくなって、生活はめちゃくちゃ快適になります。
2.無職の暮らし
自分の家計を把握して、今後の見通しも立ったところで、ようやく日々の暮らしに想いを馳せることが出来るようになった。
働いている頃は、毎日が忙しすぎて、無事に一日を終えるだけで必死だった。
せっかくの無職期間だ!自由をとにかく謳歌して、理想的な生活を送るのだ!
私の理想の生活は、生活リズムが整っている、文化的な暮らしである。
文化的な暮らし、といっても、あまりにも抽象的すぎるので、やりたいことリストを作って、見直したりしてみる。やりたいことの優先順位をふんわり付けてみる。
自炊がしたい、パンやケーキを焼きたい、家庭菜園をしたい、日常に運動を取り入れたい。読みたかった本に手をつけたい、趣味の勉強がしたい、美術館や寺社仏閣に行きたい…。そんなシンプルなことばかりで良いのだと私は思います。
特に、お金がかかることより、時間がかかること。
これこそが、会社員時代に出来なくて、無職時代に出来たことだと思う。
無職時代の思い出は、これから先も何度も思い出すのだろうなぁ。久し振りに心の底から幸せだと思える日々を過ごして、生活をすることが好きになった。
ペットと一緒に過ごす時間が長くて嬉しかった。部屋の掃除や生活の習慣作りに時間を割くことが出来て、友達を家に招くことが増えた。余裕を持って病院に通院できて、後回しにしていた念願の歯医者にも行けたし、検査や手術の予定も気ままに入れられた。医療費は凄いことになったけど…。
映画をたくさん観た。中古カメラを買って写真を撮るようになった。3000ピースパズルを2ヶ月かけて完成させたり、京都水族館の年パスを買って頻繁に通ったり。楽しかったねぇ。なんてことない日常が、本当に尊い日々なんだと感じていた。
一人の時間も、友達や家族との時間も、どちらも大切に出来る人間のままでいたいな。
季節を感じるイベントや、思い出になるような記念日を過ごすこと、仕事をしていたら全部蔑ろにしてしまいがちだったけど、本当に大切なことだったんだなとつくづく思う。
働き始めた未来の自分も、なんとか暮らしを大切に、幸せに生きていられますように。
3.無職のお仕事
「仕事が出来る人間になるより、出来る無職になる方がハードルは低い!」
そう思って、やるべきことは、仕事のように割り切って、わしわし片付けることにしました。
税金・年金・保険料の手続きや、使える制度は、いつも抜かりなく調べている。大体の物事は、先送りにしたり、期限が切れたりすればするほど、手間がかかって面倒臭い。瞬殺大事。コスパ最強。それが出来たら苦労しないんだけど、まぁ、苦労しながら優先度上げてなんとかやってるという感じです。
最低限の無職のお仕事は、それだけだけど、その他にも、やっていることはたくさんある。
仕事をしていないと、どうしても社会との繋がりを失ってしまいがちである。孤立。
どうもそれは、精神的に良くないのである。視野がどんどん狭くなったりもする。
無理のない範囲内で、自分が何か貢献できることを探す。これは、言ってしまえば、自分のためにもなるからとやっているようなもの。経験も価値になるのです…。
友達の勉強に付き合ってカフェで色々教えたり、知人のお子さんのお世話をしたり。仕事で忙しい友達の家事代行をしたり、宅配を代理で受け取ったりもしている。平日にしか出せない郵便書留を代行で出したりなんかも。
他にも、一人暮らしの友達の家で家具の組み立てをしたり、引っ越しを手伝ったり、ワクチン接種翌日の体調不良のサポートで買い出しをしたりもした。他にも、京都に家を残して遠方に住んでいる友達の郵便物を管理して転送したり、調べ物を頼まれたり、無職・休職者の相談に乗ったり、手続きについて教えたり、手伝ったり。
定期的にパタパタと、人の何かを手伝っている。それが楽しくて、便利屋さんになりたいなぁ、なんて思ったりもしたくらい。
まぁ、でも、これは仕事ではないので。ライフワークとして、狭い範囲でやっている。
それでも、ごはんを奢っていただいたり、ものをいただいたり、何らかの形で謝礼をくれる方が多い。とっても嬉しい。誰かに感謝されるということは、実は、生活にとって必要なことだと思う。
きっと、無職の適性があるか否かで、意外と大切なのはここで、圧倒的な自己肯定感を持っているか、そうでなければ他者と繋がって暮らしているか、このどちらかが長期無職には必要な資質なんじゃないのかな……と個人的には思っています。
以上が、無職による生活の雑記でした。
結局、暮らしなんてものは、環境や本人の趣味嗜好によって大きく左右されるものなので、これが正解!なんて言えるものでもないのだけど、生活の記録というのは案外貴重なものなので、未来の自分に向けて残す意味も込めて、今回のブログを書きました。
無職は、ちゃんと自分の現状に向き合えば、結構楽しくやることが出来る。
私は、結構「自分に向き合いたがり」な性格なので、向いていたのかなぁ。
運や環境も大切なんだけど、、、自分の周りには、前向きな無職が結構多かったのが印象的でした。無職の周りには、何故か無職が集まるんだよねぇ。不思議だね。
私は、無職になって感じたことや得たものが、たくさんあって、この不思議な時間の流れ、永遠のようでいて、確かに流れていく時間、ただ毎日を繰り返すだけで「あぁ尊い」と感じられること、人間はいつだって自由になれること、忘れたくないなぁと思っています。
自分に残された無職期間は、きっとそう長くはないと思うので、悔いなく、やりたいことをやって、のびのびと暮らしたい所存です。冬に弱い身体なので、体調管理も忘れずに。
次は、きっと労働者の姿でお会いしましょう。
働いていなくても、働いていても、きっと自分は素晴らしいのだ!