虹の橋をわたって

2022年の冬のことである。
我が家では、二匹のモルモットが亡くなった。


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1匹目が黒と白と茶色の三毛モル、アルト。
2匹目が金髪のミシェル。

ともに5歳まで生きて、1月に亡くなったアルトを追いかけるように、2月にミシェルも息を引き取った。



動物のいない一人暮らしは、いつ振りだろう。

てきぱきと火葬屋さんへの連絡を済ませた後に、
「あ、もうエアコンをつけなくていいんだ」
と気付いた瞬間、急に、大きな寂しさに包まれてしまった。



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私の家は、ずっと来客に恵まれていて、たくさんの人がモルモットを可愛がってくれていた。みんな名前も覚えてくれた。


SNSで呟いたら、LINEでもわざわざ連絡をくれる友達がたくさんいた。
ご冥福をお祈りします、と、目の前で手を合わせてくれた人もたくさんいた。


自分はいつも一人では上手に泣けないタイプで、悲しみを上手く処理できない。
でも、たくさんの人が、一緒に悲しんでくれたから、今回はちゃんと泣いて悲しむことが出来た。
なんてことないように見えるかもしれないけれど、自分にとっては、とても大きな大きなことだった。
だって、私は、家族が亡くなった時ですら、泣くことが出来ないような人間だったんだから。


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書くことは、探せばいくらでも出てくるんだけど、長々と書くのも今回は違う気がして、
でも、今の漠然としたこの気持ちを忘れたくなくて、blogを開いている。

まとまらない気持ちを、まとまらないままに綴るのも、たまには良いのかもしれない。


部屋には、モルモットが食べるはずだった大量の草があって、それをゴミ袋に詰める作業をしている途中のまま放置されている。
2日前までは、元気に走り回っていたから、こんなに急にいなくなってしまうなんて思わなくて、通販で買ったばかりの大きな草の段ボール箱だって未開封のままだ。

これまで過ごしてきたケージも、動物病院に連れていくキャリーも、ペットシーツも、全部いらなくなってしまった。

要らないものを処分して、来週末に引っ越しを終えたら、モルモットがいない生活なんて当たり前になってしまうんだろう。
人間は、慣れる生き物だから、きっとその通りになる。
それでも、一緒に過ごした時間はなかったことにはならないし、それで良いのだと思う。


私は、この家で、モルモットと暮らした5年間の月日が、本当に幸せだったよ。

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天国でも、きっとアルトは人見知りせず、よく食べてよく飲み、ミシェルは、草ダイブをしてチモシーに埋もれているのでしょう。

そんな想像をするだけで、私は、今でも、少し幸せになれるのです。